村山談話・河野談話に未来はあるか?
第68回 クマラスワミ報告書のネタ本の正体
日本を「性奴隷」を持った国だと国連で認定した
「クマラスワミ報告書」の唯一の参考文献である、
オーストラリア人ジャーナリスト、
ジョージ・ヒックスの『The Comfort Woman』とは
いったいどういう本なのか?
タイトルの「Comfort Woman」とは、「慰安婦」の
直訳であり、当時はこの語が「慰安婦」の訳語
として広く使われていた。
今ではすっかり「Sex Slave」(性奴隷)に取って
代わられたようだが。
この本は、『性の奴隷 従軍慰安婦』というタイトル
で邦訳も出版されている。ただし誤訳が多いらしい。
著者のヒックスは、香港在住で元は経済学者だった
というが、歴史研究の訓練を一切受けていないのは
明らかだ。
何しろ、こんなことを平気で書いている。
「歴史資料によっては真相を知ることが期待できない
一方で、1930?40年代の日本を支配した
軍国主義政権が誘拐や奴隷狩りなどの残虐行為を
実行した事実を疑う余地はない」
資料がなくても疑う余地はないとは、
マトモなジャーナリストの書くことではない。
しかもヒックスは、日本語も韓国語もできない。
つまり、第1次資料のほとんどを読めないのだ。
それでどうやって情報を集めたのかというと、
旧友である東大教授高橋彰に在日韓国人女性
リ・ユミを紹介してもらい、彼女が日本の
活動家サークルから集めた資料を
(たぶん英訳もして)送ってもらったという。
そうして集めた情報が、この本の80%を占めて
いるとヒックスは自分で書いている。
何のことはない。
クマラスワミが参考にした元の本は、日本の
左翼活動家グループの資料だったのだ!
クマラスワミも、日本語も韓国語もできない。
そして彼女が報告書を書いた時点で、慰安婦に
関する英文の本はこれしかなかった。
それで、日本の左翼活動家の資料がそのまま
国連の報告書に載ってしまったのだ。
1997年1月31日、慰安婦問題がテーマの
『朝まで生テレビ』でわしらに対して
「これだけの狂信者の前で話せて光栄だなあ!」
などと暴言を吐きまくったデーブ・スペクターが、
「慰安婦問題はこれ1冊で決まりですよ!」
と自信満々で示したのも、この本だった。